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□Playing on the BATTLEFIELD
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昼メシが終わると、眠くなるのはヒトの常なわけで、
健全な男子高校生なら、今まさにこの瞬間は夢の中。
だから阿部が、残り少ない昼休みを、
こーやって寝こけて過ごしてんのは、全くの正常な行為。
咎め立てするよーなことは一切ナイ、
それは重々わかってんだけど。
なんか。
なんか、
「…ちょっと、サビシイんですけどぉ…」
昼休みはほとんど毎日、購買に行く。
高校入ってから、弁当が昼まであった試しがない。
朝練が始まってからなんか、ヒドイ時には、HR前に空っぽになってる。
そんなワケで昼休みは、食堂か購買のお世話になんなきゃイケナイわけだけど。
昼休みの購買は、はっきし言って戦場。
もぉ激戦区も激戦区!
あの戦いに、ネンコージョレツもタテ社会もない。
ってもまぁ、オレらは先輩いないから、他の1年に比べてかなり自由に泳げてるってのもあるけど。
けど、一瞬でも気ィ抜いたらそこで負け。
購買の鉄板にして最強のアイテム、ヤキソバパンなんて、
チャイムが鳴ってから10分間、棚に残ってたことなんてまず見たことナイね。ないない。
昼休みのチャイムはさながら開戦の合図。
とりあえず、チャイム鳴ったら走るもんな。
廊下は走っちゃいけません?だったら1年7組の隣に購買部作ってよ!
殺到、ってあーいうこと言うんだろうなぁって。
大体野球部に限らず、運動部の連中はこの時間、文字通り飢えたオオカミですよ。
ただでさえ成長期、一日を戦い抜くのに、三食で足りるわけないじゃん!!
ってワケで、日々苛烈な戦いの中に身を投じてるわけだけど。